内容証明郵便の作成

内容証明郵便のメリット

1 通知の内容を後日証明することができる

2 郵便配達の事実、配達日を証明することができる

郵便配達なので確実な配達日が記録されています。

3 相手に対して、通知人の強い意思を示すことができる

内容証明郵便を利用する場合

法律文書の種類

1.債権譲渡を債務者に通知するとき

債権は、譲渡することができます。ただ、債権の譲渡は、債権者と第三者との間でなされますので、債務者(例えば、お金を支払う側)は、だれに支払えばよいかわからなくなってしまいます。そのため、民法は、債権譲渡したことを債務者に主張するためには、債権者(譲渡人)が債務者に通知をしなければならないと定めています。また、債権譲渡を債務者その他の第三者に対して主張するためには、「確定日付のある証書」によって通知しなければならないとの規定があります(民法467条1項2項)。「確定日付のある証書」の代表例が、内容証明郵便となります。

2.契約を解除するとき

当事者間で契約を解除する際には、内容証明郵便の利用をお勧めします。なぜなら、契約の解除は、契約当事者が、その契約から解放されるという重要な法律効果を生じさせるところ、後日、解除の効果を巡って争いが生じるおそれがあるからです。

具体的なケースとしては、当事者間で売買契約を締結したところ、買主が代金を支払わなかったので、売主は、普通郵便で契約の解除を通知し、その目的物を第三者に売却したところ、買主から、売買の目的物を引き渡してほしいと言われた。売主としては、契約は解除したと主張したとしても、普通郵便であれば、買主から、「受け取っていない」と反論されれば、売主としては、これを証明することが困難となり、裁判では、敗訴する危険すらあります。内容証明郵便で解除すれば、買主の反論に対して、容易に再反論することができることになります。

3.期限の利益を喪失させるとき

期限とは、契約などの効力の発生、消滅、または債務の履行を、将来実現が確実な事実に係らせる旨の特約をいいます。そして、期限の利益とは、期限を付すことによって当事者の一方または双方が受ける利益のことをいいます。

例えば、一括払いではなく分割払いが認められることによる債務者側のメリットなどをいいます。

期限の利益を設ける場合には、「支払いを怠り、通知による請求がなされても支払わない場合」などには、期限の利益を喪失する内容の規定を併せて設けることが多くみられます。このように、「通知がなされた」にもかかわらず期限内に債務者が支払わなかったことが期限の利益を喪失させる要件とするのであれば、後になって、この通知がなされたか否かが争いになることが容易に想像できます。したがって、内容証明郵便によって、通知をしたこと自体に争いがないように準備する必要があります。

4.時効を中断させるとき

時効の中断とは、進行中の時効期間が、民法所定の事由により時効期間が止まることをいいます。時効が中断すると、その時点から新たな時効期間が進行します。

内容証明郵便にて、相手方に通知をすることは、「催告」に当たると解されており、その後、6か月以内に裁判上の請求などを行わないと時効の中断の効力が生じません。

仮に、この「催告」が普通郵便でなされていた場合には、いざ訴訟を提起したとしても、相手方から「催告」されていない(通知を受け取っていない)、時効が完成していますと反論されれば、その裁判は敗訴になる可能性が高くなります。

したがって、内容証明郵便にて通知を送ることは、非常に重要なことなのです。

5.クーリングオフをするとき

クーリングオフとは、訪問販売等には、一定の期間であれば違約金などの請求を受けることなく、一方的な意思表示のみで申込みの撤回や契約の解除ができる制度をいいます。

クーリングオフをするためには、原則として、書面により契約の解除等の通知を行わなければならないとされています。

6.訴訟提起を視野にいれているとき

一般的に内容証明郵便を送付することは、通常の取引の状態から逸脱し、紛争に突入したことを相手方に示す効果があるとされています。

内容証明郵便の最後の方には「お支払いいただけない場合には、法的手段に移行しますので、その旨ご承知おきください。」などと記載されることも多く、いわば、訴訟に至る最後通告としての意味合いを持ちます。